遺伝子治療Gene Therapy

遺伝子治療

広がりを見せる遺伝子治療

承認が進む遺伝子治療

遺伝子治療の方法

遺伝子治療の方法として、ベクターを用いて遺伝子治療薬を直接投与するin vivo遺伝子治療と、
遺伝子導入した細胞を移植するex vivo遺伝子治療に大きく分けられます。
当院は前者の in vivo遺伝子治療 を採用しています。

がん遺伝子治療とは

身体が本来持っているがん抑制機能を回復する
副作用の少ない治療方法です。

正常な細胞はがん遺伝子(アクセル)がん抑制遺伝子(ブレーキ)が拮抗している状態です。
がん抑制遺伝子の変異・欠失がん遺伝子の活性化でがんが発現します。

当院は A と B を組み合わせたオーダーメイドの 『がん遺伝子治療』をご提案します

現在当院で取り扱いのある遺伝子は20種類(核酸医薬12種類、がん抑制遺伝子8種類)です。
がん種や遺伝子パネル検査(自費)の結果から、あなたにあったオーダーメイドの治療をご提供します。

がん遺伝子治療の特徴

全身に作用

転移がんもターゲット。
がん種・ステージに関わらず治療可能。
正常細胞には影響を与えません。

耐性対策

細胞レセプターを介せず、直接細胞に入り作用するため、耐性ができることはありません。

副作用が少ない

体力の少ない高齢者や小児にも安心な治療です。

標準治療と併用可能

がん遺伝子治療は標準治療の治療効果を高めます。

  • 時期(前癌・末期・転移・再発)を問わず効果が期待できます
  • 全身に作用するため、がんの種類を問わずに治療が可能
  • 抗がん剤に耐性を持ってしまったがんや、 過去に放射線を当てた部位のがんにも治療が行える
  • 原発不明がんでも治療を受けられる
  • 体力の少ない老齢者や小児がんにも適応
  • 副作用が少ないため心身的なストレスが少なく治療を続けられる

核酸医薬とは

核酸医薬とは、DNAやRNAの構成成分からなり、
化学合成により製造される医薬品です。
(2006年にノーベル生理学・医学賞受賞

核酸医薬の例として、ASORNAi (RNA干渉)、
アプタマーデコイなどがあります。

当院で扱うRNA干渉は、従来狙えなかった
細胞内の標的分子をターゲットにできるため、
癌や遺伝性疾患に対する最先端の治療法です。

出来てしまった有害タンパクの影響を抑える
低分子医薬品や抗体医薬に対し、
「遺伝子レベルで作らせない」のが核酸医薬

当院で取り扱いのある核酸医薬(RNA干渉)は12種類です。

がん抑制遺伝子とは

がん抑制遺伝子とは、がんの発生を抑制する機能
がプログラムされた遺伝子です。

細胞の増殖を抑制したり、細胞のDNAに生じた傷を修復したり、
細胞にアポトーシス(細胞死)を誘導したりする働きをします。

DNA単独では細胞膜を通れず、
血液・体液中の酵素で分解されます。

これらを回避するため、
運び屋として「無害なウイルス」を使用し、
遺伝子を体内へ届けます。

当院で取り扱いのあるがん抑制遺伝子は8種類です。

治療効果

p53、p16、PTEN、CDC6shRNA を使用した 遺伝子治療の実績をご紹介します。

対象のがん種

  • 卵管
  • 小腸
  • 腹膜癌
  • 十二指腸
  • 腎盂
  • 悪性黒色腫
  • 平滑筋肉腫
  • GIST
  • 原発不明
  • 中皮腫
  • 子宮肉腫
  • 乳房外パジェット
  • 腺様嚢胞
  • 顎下腺
  • 尿管
  • 甲状腺
  • 虫垂
  • 神経内分泌
  • 歯肉
  • 口腔
  • 大腸
  • 膵臓
  • 肝臓
  • 食道
  • 子宮体
  • 胆管
  • 咽頭
  • 胆のう
  • 子宮頸
  • 卵巣
  • 膀胱
  • 前立腺
  • 腎臓
  • 胸腺腫
大腸 結腸 36
盲腸
直腸
膵臓   38
  28
  24
  24
肝臓   11
食道   10
子宮体   9
胆管   11
咽頭   5
胆のう   4
子宮頸   5
卵巣   8
膀胱   6
前立腺   4
腎臓   5
  2
胸腺腫   2
卵管   2
小腸   1
腹膜癌   2
十二指腸   1
腎盂   2
悪性黒色腫   1
平滑筋肉腫   1
GIST   1
原発不明   1
中皮腫   2
子宮肉腫   1
乳房外パジェット   1
腺様嚢胞がん   1
顎下腺がん   1
尿管がん   1
甲状腺がん   2
虫垂がん   1
神経内分泌   2
歯肉がん   1
口腔がん   1
  258

副作用について

 
発熱(数時間) 数人に1人
ふらつき(一過性) 10人に1人
肝数値の一時的な上昇(1~3日) 自覚症状はない
白血球の一時的な上昇(1~3日) 自覚症状はない
CRP(炎症)の一時的な上昇(1~3日) 自覚症状はない
倦怠感(一過性) 20~30人に1人

治療の流れ

STEP
1

インフォームド・コンセント

医師から患者様に診療の目的や内容を十分に説明します。
不明な点は何でもご質問ください。
STEP
2

治療説明、スケジュールの決定

治療の目的や実施方法、効果や副作用、治療を途中でやめられることなどの
説明案内や同意書のご案内を致します。
患者様が理解・納得した上でのご記入、ご署名をお願いしております。
STEP
3

料金のお支払い

事前のお支払いをお願いしております。
施術前日までにお振込み、もしくは現金でお願いいたします。
詳細につきましては、「治療明細書」をご確認ください。
STEP
4

点滴×11回(週1回)

治療は通院で行います。核酸医薬を中心に6回、がん抑制遺伝子を中心に5回、計11回点滴します。
1クール目(1~6回)でがん抑制遺伝子を阻害するタンパク質を除外し、がん抑制遺伝子が働きやすくなる環境を作り、
2クール目(7~11回)にがん抑制遺伝子を加えてがんを死滅に導きます。

STEP
5

治療効果の評価

効果測定では画像診断や血液検査等で治療効果を評価し、今後の治療計画の立案を行います。